【HFNC(ネーザルハイフロー)】看護師の疑問10選を解説!後編

看護News

HFNCの看護で困ったことはありませんか?

あるある!そもそも基本的なこともわかっていないかも…

今回はHFNCのよくある疑問(後編)を解説します。

初心者にもわかりやすくお願いしますね。

HFNCをサラッと理解

HFNCについて簡単に説明しておきます。

皆さん、ハイフローセラピー(high flow therapy;HFT)をご存じでしょうか。

HFTは、科学論文では経鼻高流量酸素療法(high flow nasal cannula;HFNC)という呼び方が一般的です。

日本の臨床の現場でもともと登録商標であったネーザルハイフローという呼び方もよく聞きます。

HFNCは、十分に加温加湿された酸素を高流量・高濃度で経鼻的に投与できる治療法といえます。

それでは、Q&Aを始めていきましょう!

後編なのでQ6からです。

Q6.嚥下時に不快感があります

もともとの呼吸器疾患、嚥下機能低下の他にHFNCが関連している場合があります。

高流量ガスにより軟口蓋が挙上することで嚥下の妨げ、誤嚥の要因となっている可能性があります。

一時的な流量の減量、FIO₂の増量を検討します。

高流量ガスが嚥下の邪魔をしていることもあるのね。

Q7.蛇管内の水滴を加湿器に戻すことができません

蛇管内に水滴が溜まっていると、呼吸の妨げになることがあります。

また、水滴が過剰な場合は設定温度、室温が適切か確認しましょう。

蛇管内の水滴を加湿器に戻すことができない場合、高流量(例えば60L/min)であることが考えられます。

一時的に流量を40~50L/min程度に減量し、速やかに水滴を戻します。

流量を一時的に減量したら、もとに戻すのを忘れないようにしないとね。

その通り!

回路の一部を外す方法もありますが、呼吸状態の変化、感染、再接続後のリークのリスクを考慮するとデメリットの方が大きくなります。

Q8.MDRPUはどこにおきやすいですか?

外鼻孔付近

HFNCで使用するプロングは、外鼻孔付近(鼻と唇の間=人中)で常に接触しています。

プロングに隠れていますので、プロングを動かして意識的に皮膚状態を観察しましょう。

鼻腔内損傷

プロングによる鼻腔内損傷にも注意が必要です。

外鼻孔付近や鼻腔内は、加温加湿ガスで皮膚が浸潤しやすく皮膚トラブルが発生しやすいといえます。

耳介や頬部

ストラップが触れている耳介コネクター接続部が接触する頬部にも注意が必要です。

ストラップの締め付けが強すぎないか、確認して調整しましょう。

「プロング」は鼻に入れる部分のことですね。

「MDRPU(医療関連機器圧迫創傷)」は、自重以外の圧迫が要因となり生じる創傷のことです。

MDRPUは人工呼吸器、酸素デバイス、膀胱留置カテーテル、点滴ルート、弾性ストッキングなどが原因ね。

Q9.MDRPU予防には何をするといいですか?

褥瘡対策と同様に、圧迫・ずれの予防、過度の皮膚の浸潤・汚染の予防が必要です。

適宜、ストラップの締まり具合を確認して調整し、除圧します。

また、MDRPU好発部位の皮膚の観察、自覚症状の聴取をします。

予防的に創傷被覆材を使用する場合は、各医療機関で使用する材料を統一していると良いでしょう。

使用する部位は、外鼻孔、コネクター接続部です。

プロングの位置は、カニュラにガーゼを敷いて高さを作ることで角度を調整することができます。

Q10.検査で出棟するときに注意点はありますか?

移動中の人員、煩雑さ、酸素切れ、回路外れ、バッテリーの有無を考慮し、原則はHFNC以外の酸素デバイスで移動します。

HFNC開始時には加温加湿器が設定温度に上昇するまで数十分かかる機種もあります。

機種ごとの立ち上げ時間と帰室時間を考慮して準備をしておきます。

移動のときは医師や臨床工学技士と連携した方がよさそうね。

呼吸器を学ぶのにおすすめの本

せっかくなので、私も読んだ役立つ本を3つ紹介しておきます。

ぜひ、参考にしてください。

看護師3年目までに知っておきたかった 呼吸の超基礎

呼吸の基礎を楽しく学ぶことができます。

著者のお二人は、Instagramなどでも活躍されており、大切なポイントをわかりやすく伝えています。

医学博士課程を修了されており、職歴は演題などからも信頼度が高いですね!

病気がみえる(vol.4) 呼吸器

こちらは説明不要の大定番、病みえシリーズですね。

興味がある分野があれば、とりあえず病みえシリーズを一冊です。

カラーとイラストが豊富で、呼吸器疾患の病態から治療、検査、呼吸リハビリテーションまで幅広く学ぶことができます。

スマホで呼吸音も聞くことができますよ。

すべての医療職種におすすめですが、図解が多いので、医療職以外の人が見てもわかりやすいです。

これだけ押さえれば大丈夫!1冊でわかる病棟で行う呼吸管理

一般病棟で必要とされる呼吸管理に焦点をあてています。

呼吸の基礎から人工呼吸器、NHFC、COVID-19に関することまで学ぶことができます。

キャラクターの会話形式のところもたくさんあり、ページ数が多いわりにさくさく読み進めることができますよ。

呼吸ケアカンファレンスが再現されているところもおもしろいです。

まとめ

HFNCの看護に役立ててくださいね。

HFNCのこと、あまり知らなかったけど分かりやすかった!

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