
HFNCの看護で困ったことはありませんか?

あるある!そもそも基本的なこともわかっていないかも…

今回はHFNCのよくある疑問(前編)を解説します。

初心者にもわかりやすくお願いしますね。
HFNCをサラッと理解

HFNCについて簡単に説明しておきます。
皆さん、ハイフローセラピー(high flow therapy;HFT)をご存じでしょうか。
HFTは、科学論文では経鼻高流量酸素療法(high flow nasal cannula;HFNC)という呼び方が一般的です。
日本の臨床の現場でもともと登録商標であったネーザルハイフローという呼び方もよく聞きます。
HFNCは、十分に加温加湿された酸素を高流量・高濃度で経鼻的に投与できる治療法といえます。
それでは、Q&Aを始めていきましょう!




Q1.エアロゾルは大丈夫?
エアロゾルについては、コロナの流行により注目度が急上昇しました。
HFNCは高流量の酸素療法ですから、エアロゾルによる感染拡大が気になりますね。
特にコロナ患者に装着されるとなった時は不安を覚えました。
HFNC装着中は、高流量ガスにより患者の飛沫がエアロゾル化する可能性があります。
しかし、適切なゾーニング、PPE(個人防護具)の脱着といった感染対策により医療従事者の感染を避けることができると考えます。
各医療機関の感染防止対策マニュアルに準じた感染対策を実施してください。
また、患者のサージカルマスク着用によって飛沫飛散が減少するという報告があります。


今では患者さんがマスクをすることも当たり前になってるね。
Q2.プロングがよく外れてしまいます。
プロングがなぜ外れるのかをアセスメントしてみましょう。
プロングが原因の場合
プロングそのものの重みによって脱落している場合は、付属のクリップやネックストラップを活用できているかを確認します。
蛇管を衣服やベッド柵に固定することで改善されることがあります。
クリップがなければ洗濯ばさみで代用できます。
その他の原因の場合
その他、患者が動いたり外してしまったりといったことが考えられます。
例えば、痛み、発熱、呼吸困難感、流量刺激、加温による熱刺激、MDRPU、不眠、せん妄などが原因となっている可能性があります。
原因を取り除くことで治療の継続と患者の安全・安楽を確保しましょう。


「プロング」は鼻に入れる部分のことですね。


「MDRPU(医療関連機器圧迫創傷)」は、自重以外の圧迫が要因となり生じる創傷のことです。


MDRPUは人工呼吸器、酸素デバイス、膀胱留置カテーテル、点滴ルート、弾性ストッキングなどが原因ね。
Q3.鼻腔の不快感があります
なぜ不快感があるのかをアセスメントしてみましょう。
痛みが原因の場合
痛みが原因であれば、乾燥やMDRPUがないか確認します。
加温加湿器の設定・動作を確認し、プロングのフィッティングや創傷被覆材について再検討します。
乾燥が強い場合は、鼻腔用保湿剤などで対応します。
流量が原因の場合
流量が原因であれば、流量の減量やプロングのフィッティングを検討します。
熱感が原因の場合
熱感が原因であれば、加温加湿器の温度を下げる方法がありますが、下げる場合は加湿不足になっていないか注意が必要です。
特に喀痰の多い患者では、痰の硬化や気道クリアランスの低下をまねいて排痰困難を誘発する可能性があります。


アセスメントして、原因別に対応することが大切ね。
Q4.耳の不快感があります
PEEP(呼気終末陽圧)様効果が原因の耳閉感かもしれません。
一時的に開口することで解消されることがあります。
Q5.蛇管が熱いと訴えがあります
蛇管が体に触れていませんか?
固定方法を検討したりタオルを挟んだりして、蛇管が直接体に触れないようにしましょう。
冷罨法や空調の調節により熱さを緩和します。
呼吸器を学ぶのにおすすめの本
せっかくなので、私も読んだ役立つ本を3つ紹介しておきます。
ぜひ、参考にしてください。
看護師3年目までに知っておきたかった 呼吸の超基礎
呼吸の基礎を楽しく学ぶことができます。
著者のお二人は、Instagramなどでも活躍されており、大切なポイントをわかりやすく伝えています。
医学博士課程を修了されており、職歴は演題などからも信頼度が高いですね!
病気がみえる(vol.4) 呼吸器
こちらは説明不要の大定番、病みえシリーズですね。
興味がある分野があれば、とりあえず病みえシリーズを一冊です。
カラーとイラストが豊富で、呼吸器疾患の病態から治療、検査、呼吸リハビリテーションまで幅広く学ぶことができます。
スマホで呼吸音も聞くことができますよ。
すべての医療職種におすすめですが、図解が多いので、医療職以外の人が見てもわかりやすいです。
これだけ押さえれば大丈夫!1冊でわかる病棟で行う呼吸管理
一般病棟で必要とされる呼吸管理に焦点をあてています。
呼吸の基礎から人工呼吸器、HFNC、COVID-19に関することまで学ぶことができます。
キャラクターの会話形式のところもたくさんあり、ページ数が多いわりにさくさく読み進めることができますよ。
呼吸ケアカンファレンスが再現されているところもおもしろいです。
まとめ


HFNCの看護に役立ててくださいね。
後編もお楽しみに!


HFNCのこと、あまり知らなかったけど分かりやすかった!
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