
弾性ストッキングを正しく着用できていますか?

たぶんできてると思う…

取り扱い方を間違うと合併症につながることもありますよ。

安全に着用できるようになりたいわ。
弾性ストッキングを使用する機会が増えていますね。
弾性ストッキングは履くだけで効果があります。
ただし、適応や着用方法を間違うと合併症につながることもあります。
安全に取り扱うことができるようにきちんと準備しておきましょう。
弾性ストッキングの基本的な知識と、医療系国家資格者向けの資格である弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターを紹介します。







弾性ストッキングの効果と取り扱い方のポイント


正しく安全に取り扱うことで合併症を防ぐことができます。
効果と取り扱いのポイントを確認しておきましょう。
弾性ストッキングの効果
弾性ストッキングなどの一般医療機器(クラスⅠ)は、治療上重要な存在です。
一般的な家庭用ストッキングと比較して締め付け圧が強く設計されています。
下腿の血管に圧力をかけることで生じる効果は次の通りです。
血管に圧力をかけることで、血液やリンパ液の流れをよくするのですね。
弾性ストッキングが有効な疾患
単に下肢のむくみをとるだけではなく、ある疾患に対して効果的な治療効果が期待できます。


いろいろな疾患の治療に有効なのね。
弾性ストッキングの合併症
弾性ストッキングは一般医療機器(クラスⅠ)であり、人の生命や健康に関わるような合併症を起こすことはほとんどないとされています。
重篤な合併症はほとんどないものの、一度起こっていまうとQOLが確実に下がってしまいます。
どのような合併症があるのかを知っておきましょう。
命に関わる合併症ではありませんが、なんとかして避けたいですね。
また、弾性ストッキング着用の禁忌とされている重度の動脈血行障害は見落とすことも多く、注意が必要です。


どの合併症も絶対避けたいわね。
弾性ストッキングの取り扱い方のポイント
合併症を予防し、治療効果を発揮するために正しく取り扱うことが必要です。
弾性ストッキングの取り扱い方のポイントは次の通りです。
弾性ストッキングなどの適切な使用及び普及のため、弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターの資格認定が行われています。
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター


弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターは、日本静脈学会が認定を行っています。
2002年に設立され、弾性着衣や弾性包帯の適切な使用および圧迫療法の普及を目的としています。
2020年3月時点で計140回の講習会を開催し、3114人の資格取得者が認定されました。
2020年4月からは慢性静脈不全に対する静脈圧迫処置が診療報酬として算定可能となっています。


静脈疾患・リンパ疾患・肺塞栓症予防の医療安全や災害時における静脈血栓予防の啓発にも役立つ資格ね!
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターの仕事内容
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターの仕事は、医師の指示のもとに行います。
業務範囲は各人がもつ国家資格の範囲内となります。
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターの資格取得の難易度


弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターは、指定の講習会に参加し、10単位分の臨床指導内容書を提出することで取得できる資格です。
ほかの医療資格に比べて難易度は低いといえるでしょう。
働きながら資格取得を目指すことができますよ。
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターの資格取得のメリット
講習、実技、認定筆記試験、臨床指導を経て資格認定を受けることができます。
きちんと学んで取得した資格にはさまざまなメリットがあります。


スタッフにも指導ができるのね。
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターに必要な知識と技術
求められる知識と技術は以下の通りです。
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターの資格取得方法


では実際に、どのような手順で資格を取得していくのでしょうか。
必要な条件と取得までの流れをみていきましょう!
なお、弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターについての詳細な情報は日本静脈学会の公式サイトを参照してください。
認定対象者
各種国家資格が対象となっています。
日本国における医師、薬剤師、看護師、准看護師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、診療放射線技師、臨床工学技士、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師のいずれかの資格を有していること(2022年8月現在)。
資格認定方法
講習会(認定試験を含む)を受講した上で、受講後2年6か月以内に臨床指導10単位を提出する。
取得までの流れ
資格取得までのおもな流れについて解説していきます。
注意すべきポイントがありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
STEP①講習会の参加
申し込み後は、弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターの講習会を受ける必要があります。
講習会は、講義、実技、筆記試験の3つで構成されており、5~6時間かけて学びます。
講義
脈管系の解剖・生理、静脈およびリンパ疾患の概要、慢性静脈不全による静脈性潰瘍の概要、弾性ストッキングなどの弾性着衣や弾性包帯を中心とする圧迫療法の概要
実技
弾性ストッキング着脱法、弾性包帯の使用法、慢性静脈不全による静脈性潰瘍に対する圧迫療法の実技
認定筆記試験
講義および実習終了後に約30分間、10題程度
※2020年以降、感染症流行の影響でオンライン講義がメインとなっています。
STEP②臨床指導内容書を提出
講講習会を受講し試験に合格すると「弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター講習会受講証明書」が発行されます。
その後に臨床指導内容書(10単位)を添えて申請すると、「弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター認定証」を発行され、コンダクターとして認定されます。
臨床指導内容書は初回認定と更新認定で提出のタイミングが異なります。
初回認定
講習会受講日より2年間
更新認定
前回認定日以降
臨床指導内容書などの書類は日本静脈学会の公式サイトからダウンロードできます。
必要事項をすべて記載し、職場責任者の署名または記名+捺印を受けましょう。
STEP③必要書類の提出
すべての工程が完了した際には、必要書類をすべて用意し弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター認定事務局宛に提出します。
初回認定の場合
※弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター養成講習会受講後2年6か月以内に申請します
更新認定の場合
必要書類を提出したあと、後日弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターの認定証が発行されます。
資格の有効期間
旧弾性ストッキング・コンダクターの資格について
2027年3月末をもって「旧弾性ストッキング・コンダクター」の資格は廃止されます。
「旧弾性ストッキング・コンダクター」の方は「弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター講習会」 あるいは「弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター静脈圧迫処置追加講習会」を受講し、 「弾性ストッキング・コンダクター」から「弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター」への 切り換えをおこなう必要があります。
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターの現状と今後


2020年には、慢性静脈不全に対する静脈圧迫処置が診療報酬として算定できるようになりました。
施設基準を満たすためには、医師および看護師が所定の研修を修了しなければならず、「弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター講習会」もその研修に該当します。
取得者数は3,114名(令和3年時点)、職種別では看護師が最も多く、次いで医師が多く取得している資格です。
各都道府県で弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターが認定され、多くの人が活躍しています。
この資格は圧迫療法に関してだけではなく、静脈疾患・リンパ疾患、肺塞栓症予防にも適していて、災害時の静脈血栓予防にも役立つといわれています。
将来性のある大切な分野の資格ですね。
まとめ


弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターを紹介しました。


今からでも将来的にもとっても役立ちそうな資格ね。


多くの職場で弾性ストッキングを取り扱う機会はありますので、学んでいて損はありませんよ。


そんなに難しくはなさそうだしすぐに実践で役に立つわね。資格の取得、挑戦してみるわ!
今までの経験、資格を活かせる働き方を探しましょう!
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